冷酷王子は子リス姫を愛でる
たかがパーティーで、耳についた数個のピアスを外させるために。



額に汗をかきながら、俺の腹に穴を開けたアレン。



「おい…」

「で、できた‼︎」

「おい‼︎」

「ん?」

「死ぬほどいてぇ…」

「えっ?大丈夫でしょ?だってアンディだもん」



ジンジンと、腹が痛む。



真っ赤な石がついた、特注で作ったピアス。



耳とは比べ物にならないくらい、痛いんだが。



「治癒魔法効かないもん。この石、魔力吸い取るし」



水魔法を主体とした治癒魔法の使い手が、王宮魔導士にいるのに。



それも叶わずに、俺はこの痛みと戦わなければいけないようだ。



「血が止まんねぇ…」

「いやぁ、いい仕事したなぁ。では殿下、私は他に仕事がありますので、これで失礼いたしますね」

「逃げんなよ」

「なにをおっしゃいます。仕事です。では、後ほど」



体が楽になった。



石のおかげか、いつもは溢れんばかりの魔力が抑えられている。



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