冷酷王子は子リス姫を愛でる
基本的に利益や合理性を優先する父は、興味がないことには首を縦に振らない。



その父が、キャサリンの作った料理を完食し、さらに褒める。



これは、とんでもなく珍しいこと。



「では、ショーユの製造計画を進めても?」

「あぁ、構わない」



それだけ言って、食堂を後にした。



負ける気はしなかった。



キャサリンの料理は、本当にうまいと思うからだ。



これで更に忙しくなるな…。



「兄上、俺がやっていい?その計画の指揮」

「リオがか?」

「マジでうまいしさ。俺ももう17じゃん?さすがに少しは功績残しておかないとまずいよねー」

「それは助かるが…。目で見たものを伝えるのは簡単ではないからな…」

「だったら、俺がマリーナルに行って見てくるよ。あっちとの契約も、ちゃんとやってくる」

「おい、お前…なにが目的だ…?」

「えっ?別に下心はないけど?」

「嘘つくな」

「正直、飯食いたい、マリーナルの…」



どうやら、キャサリンは夫になる者の弟の胃袋を掴んでしまったようだった。



おにぎり、恐るべし…。



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