冷酷王子は子リス姫を愛でる
でも、正直なところリオが手伝ってくれるととても助かるのだ。



元はいいものを持っているリオには、そういう仕事の方が合うのかもしれないな。



「あちらに派遣する魔導師の選出と、工場の立ち上げはお前に任せる」

「よし、頑張る‼︎」



俺が国王になれば、リオとルイは俺の補佐的な立場になってもらうつもりだった。



どんなポジションにするか、見定めさせてもらう。



「殿下、キャサリン様が『出汁』が欲しいとしきりに言っておられました」

「ダシ、とは?」

「よくわかりません。乾燥した昆布や小魚だそうですが…」

「わかった。リオ、それもマリーナルにあるはずだ。どんなものか聞き、自分の判断でどうするかを決めてこい」



『わかりました、兄上』と、いつもの笑顔ではなく、珍しく真面目に頭を下げた。



これは本気ってことか?



頼んだぞ、弟よ。



「兄様?僕もマリーナルに行きたいです」

「お前はもう少し大きくなってからだな」

「いっぱい、食べますっ‼︎」



可愛いルイに癒され、リオの決意も受け取った。



結婚式のこともようやく考えられると、ホッと胸を撫で下ろした。



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