冷酷王子は子リス姫を愛でる
目が覚めたルイに、理由を聞く。



「早く、大きくなって…兄様たちみたいになりたかったのです…」

「その気持ちはわからなくもない。だけど、お前はまだ小さいんだ。俺もリオも、ルイの将来を楽しみにしている。お前が死んでしまったら、俺たちの楽しみはどうなるのだ?」

「ごめん、なさいっ…」

「ゆっくり大きくなってくれ。俺たちが追い越されてしまったら『兄様』ではなくなってしまうではないか。まだまだ、ルイの『兄様たち』でいたいのだ」

「うぅぅぅぅっ…」



寂しい思いをさせてしまっていたことに、とても反省した。




リオが仕事を手伝うようになり、ルイの相手が減ってしまった。



俺も相当忙しく、ルイに構ってやる時間がほとんどなくて…。



すまなかったな、ルイ…。



「腕が痛むのか?」

「はい…」

「なにか欲しいものは?」

「…………美味しいご飯」

「はははっ、キャシーに頼んでみるとしよう」




泣いていた顔が、笑顔になった。



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