冷酷王子は子リス姫を愛でる
キャシーの部屋へ向かう。



『王太子殿下が自ら足を運ぶなど、言語道断。女性の部屋へ気軽に行かれては威厳にかかわりますゆえ』



と、アレンの父にキツク言われていたけど、この際無視することにする。



大事なルイが、美味しいご飯をご所望なのだからな。



部屋の前の警備が慌てた様子で頭を下げる。



「よい。顔を上げろ」

「はっ‼︎」

「キャサリンはいるか?」

「はいっ‼︎ただ今、デイジー様とお茶を楽しまれておいでですっ‼︎」

「ならば問題はない」



ノックなしで入った部屋には、侍女のジョアンがいた。



前に見た時より…ふくよかになっていないだろうか…。



「キャサリンに用がある」

「ただいまお呼びいたしますので、殿下はどうぞ、こちらへ」



座ったソファーから見える小さな炊事場には、いろいろな調理器具が並んでいた。



ここで料理をしているのだな。



もう少しすれば、同じ部屋でキャシーの料理姿が見られるのか。



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