冷酷王子は子リス姫を愛でる
なんだか、むず痒いような、気恥ずかしいような。



そんな気分だ。



「アンドリュー様⁉︎どうしてこちらへ⁉︎」

「頼みがあって来たのだ。ルイがケガをしてしまってな。見舞いに行って欲しいものを聞くと『美味しいご飯』と」

「ケガ⁉︎大丈夫なのですか⁉︎どこをケガしたのですか⁉︎」



腕の火傷と、顔の擦り傷、足の捻挫だと伝えると、安心した顔をした。



利き手ではない方の腕だったし…って、もしかすると…。



「その程度のケガは、治せるのか…?」

「はい、大丈夫かと思います。すぐにルイ様の元へ連れて行ってください‼︎」

「いや、ダメだ。失敗には痛みも伴うことを、ルイは今学んでるのだ。まだ、治さなくていい」

「可哀想ではありませんか…」

「学ばなければ、また同じことをする。少しお灸を据えてやることも必要なこと。キャシーには、料理のことで相談しに来たのだ」



そんな悲しそうな顔をするな。



これもルイのためなのだから。



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