冷酷王子は子リス姫を愛でる
あっと言う間に全て平らげ、満腹の表情。



寄ってきたテトちゃんを撫でて、痛々しいケガとは裏腹に満足げに微笑んでいる。



「ルイ、キャサリンにはすごい魔法があるのだ」

「魔法…?」

「今からお前のケガを治してもらう」

「治る…の?」

「あぁ」



ルイ様の横に座り、手を握る。



小さくて柔らかい手は、アンドリュー様が大事に見守ってきた手。



「痛かったですよね?」

「うん…」

「もう、無茶なことはしてはダメだと、わかりましたか?」

「反省、しました…」

「なら、治します」



力を込めて、治るように祈る。



可愛い顔にキズなんて似合わない。



無邪気に笑っている方が、ルイ様には似合うのです。



「えっ、痛くない…」

「よくなりました?」

「すごい…。王宮魔導師が治癒魔法かけてくれたのに…こんなに治らなかった…」

「包帯を取っても大丈夫ですよ」



よかった。



キレイに治った。



< 206 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop