冷酷王子は子リス姫を愛でる
ご対面
【キャサリン】



船は苦手だ。



何度か隣国に呼ばれてパーティーに出席したことがある。



島国のため、船で大陸に渡らなければならないのは仕方のないこと。



だけど…。



「うぅぅぅぅ…」

「毎度毎度、船酔いですか」

「だって…揺れが…」

「3日、なにも召し上がられてないですよ?このまま大陸についても、3日は馬車です」

「馬車も…嫌い…」



私は乗り物が苦手だ。



自分で乗る馬ならば酔いはしないのに。



船ほどではないけど、馬車も少し酔ってしまう。



「シャキッとなさい‼︎姫様なのですよ⁉︎」



姫と船酔いは関係ないもん…。



うぅぅぅぅぅ…。



気持ち悪い…。



「キャサリンは酔っていても可愛いな」



そんな呑気なことを言うのが、父である国王だ。



その辺の公爵あたりに売り飛ばしてくれれば、船なんて乗らなくて済んだのに…。



「お父様の、バカ…」

「えっ?なんだって?」



でも憎めないの。



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