冷酷王子は子リス姫を愛でる
それからの日々はとても目まぐるしく過ぎた。



「とてもキレイだよ、私のキャサリン」

「ありがとう、お父様」



今日、お嫁に行きます。



白い花嫁衣装は、シュナウト王国の次期王妃が着る歴史あるもの。



長過ぎるのではないかと思うベールに、白いヒール。



全てが白い。



その中央の胸元に、唯一色のあるブローチ。



『初めていただいたものを身に付けるのです。ジンクスのようなものですかね。この国の一般的な結婚式の風習なのですよ』



と、衣装を担当してくれたメイドから聞いた。



今の王妃様も、初めて陛下からもらった指輪をつけていたと。



「キャサリン様、お美しいっ…」

「もぅ、ジョアンは朝から泣きすぎよ‼︎」

「あの小さかったキャサリン様がこんなに立派になられてっ…お母さまも、天国でさぞ喜んでいることでしょうね」



ジョアンは朝から泣き通し。



そんなジョアンだから、そばにいて欲しいのだ。



「姉様、幸せになってください」

「ありがとう、私の天使」

「僕はもう、そう呼ばれるほど小さくはありませんよ?」



リチャードにも祝福され、さぁ、結婚式です。



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