冷酷王子は子リス姫を愛でる
【アンドリュー】



結婚式は、堅苦しいものだ。



真っ白な花嫁衣装のキャシーと、愛を誓い合う。



父親である国王陛下の前にふたりで立ち、この婚姻が正当で曇なきものだと宣言する。



「若き2人に神の祝福を」



拍手に包まれた俺たちは、これからパーティだ。



まずは、国民にお披露目。



王城の一番高い塔から顔を出し、手を振れば、群衆からの温かい声。



「すごい…。私、場違いでは…」

「前にも言っただろう?否定するなと。胸を張ればいい。お前はキャサリン、俺の妻だ」

「自信が持てないですぅ…。アンドリュー様、かっこ良過ぎる…」

「クククッ、今すぐ押し倒してもらいたいのか?」

「ピャッ⁉︎」

「はははっ‼︎なんだ、その間抜けな声は‼︎」



笑い合う俺たちがどんな会話をしているかなんて、国民たちには聞こえてないけど。



お披露目、終わりだ。



冷酷な王子でも、幸せなら笑うのだぞ。



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