冷酷王子は子リス姫を愛でる
『初夜を邪魔する』ことは、基本的にはない。



楽しみだな、キャシー。



「お疲れ様でした。ご夫婦の部屋に、食事を運ばせていただきましたので」

「あぁ、助かる。ロクに食えなかった」

「そんなものです、新郎新婦は」



先に風呂に入り、ゆったりしたものに着替える。



花嫁は時間がかかるらしく、新しいふたりの部屋に入って、腹を満たす。



おっ、ショーユ味…。



料理人たちが気を使ったのか、今日の料理にはマリーナル王国のショーユが使われているものもあった。



こういう気遣いをされるところが、キャサリンの魅力の一つ。



俺の執務室の警備たちも、なにやらキャシーに熱い視線を送っている気がするし。



厨房からは『できれば、他にも料理を教えてもらいたい』と頼まれている。



ルイはもちろん、キャシーが大好きで。



リオはキャシーの料理に夢中。



それに、あの国王陛下が褒めた女だ。



彼女を選んだことは、俺にとっても周りにとっても正解だったようだ。



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