冷酷王子は子リス姫を愛でる
腹が満たされると、支度を終えたキャシーが何も言わずに向かいに座った。



「もう寝るだけか?」

「は、はいっ‼︎」

「では、下がってくれ。明日は休みをもらっている。起きるまで、誰も来なくていい」



リーナにそう告げれば、一礼して出て行った。



ふたりの時間だ。



「腹は?減ったであろう?」

「あっ、胸いっぱいで…」

「これは?海をイメージしたケーキだそうだ」

「キレイ‼︎何味でしょう」

「ブルーアップルだと、メイドが言っていたな」

「いただきます‼︎」



甘いものに、甘いキャシー。



ニコニコしながら食べる姿が、やっぱりリス。



さっきまで緊張してたのに、ケーキでリラックスしている。



「な、なんですか?そんなに見られると…」

「やっと手に入れたのだと、勝利の感覚に酔っているだけだ」

「違いますっ‼︎私が手に入れたのです。アンディは、私のものですから」

「ならば、好きに迫ってきてもいいぞ?」

「せ、迫りません、けど…」



また顔が赤い。



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