冷酷王子は子リス姫を愛でる
ワインを飲みながら、ケーキを頬張るキャシーを見ていたら、チラチラ目が合う。



その恥ずかしそうな顔が可愛くて、もっと見たくなる。



「おいしかった‼︎」

「よし、こっちへ」

「えっ、ヤダ…」

「いい加減観念しろ。妃教育で、初夜はなんと教えられた?」

「こ、子作りするって…」

「子どもはどうでもいい。出来たら出来た、出来なければそれでいい。子作りではなく、お前に触れたいのだが」



俯いた顔が赤いことは、顔が見えなくても予想ができる。



可愛い。



俺のキャシー…。



「おいで」



手を伸ばせば、震える小さな手がそっと重なる。



引き寄せて、抱きしめて。



そのまま抱き上げてベッドのある部屋まで闇魔法で移動。



「ずるい、魔法は…」

「俺の手を取ったお前の負け。早く、ひとつになりたい」



ベッドサイドの魔力石で、部屋の中はぼんやり明るい。



ベッドに下ろしたキャシーは、恥ずかしそうに顔を逸らした。



< 215 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop