冷酷王子は子リス姫を愛でる
お互いに疲れ果てて眠った。



明け方なのか、まだ夜なのか。



全くわからない。



とにかく、幸せに浸って眠りたかった。



『俺の花嫁だろう?いいものを選んだな』

『お前は?』

『生まれた時から一緒にいる者のこともわからんのか?』

『魔力っ…』

『あぁ、そうとも言う。俺がわからないか?こんな力、お前が持って生まれたと思っているなんて、頭が弱いのだな』

『誰だ‼︎』

『悪の帝王とでも言えばわかるだろう』

『魔…王…?』



これは夢だよな?



どうして、こんなに意識がハッキリしている?



これは、現実…?



『魔王は何百年も前の話し。もう仮想の世界の話のようなもの』

『存在しているだろ、ここに』

『なぜ、俺の中に…?』

『お前に生まれ変わったと言えば正しいか。または、お前の別の人格と言えばいいか。よくも押さえつけてくれたな、変な陣とか、石とか。いい加減にしろ』

『待て、俺はお前なんか知らない』



知らない、よな?



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