冷酷王子は子リス姫を愛でる
お忍びデート
【キャサリン】



フィンが消えたと言ったアンドリュー様。



それは本当のようだ。



正確には消えたのではなく、一緒になったんだと、そう言っていた。




「そういうことなのか…。なんか、仮想の世界の話のようだな」

「信じるか?」

「あぁ、信じるよ」



サネル王子にも、訳を話した。



さすがに急に瞳の色が変われば、誰だって心配してしまうもの。



信じられないような話なのに、アンドリュー様を信じると言ってくれたサネル王子には、心の底から感謝している。



急にフィンとアンドリュー様がひとつになったのはなぜかと聞くと、間髪入れずに返事が返ってきた。



「お前に愛されたいからだ」



うん、なんだか…照れるしかない。



フィンのことは、アンドリュー様の一部だと思って、好きになろうと思った。



どちらの彼からも愛されているのだという事実が、不思議と心地よく感じてしまう。



< 261 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop