冷酷王子は子リス姫を愛でる
獣人はそう珍しいものでもない。



獣人が王の国も、この大陸にはあると聞いたことがある。



私も何度か、獣人には合ったことがあるけれど…あまりいい扱いをされているとは思えなかった。



貴族たちに『買われた』獣人は、賃金もなく無償で働かされることが多いのだ。



私たちは魔法が使える。



獣人は、魔力を持っていない。



それに…。



「あなた、獣人と人間のハーフ、よね?」

「…………」

「わかったわ。辛かったね…」



この子のような、パッと見人間に見えるのに、耳と尻尾が着いているハーフは、特に奴隷として売られることが多いと聞いた。



獣人は力が強い。



人間よりも、何倍もの力がある。



ハーフは、獣人ほど力もなければ魔力もない。



だから下に扱われることが多いのだ。



「どうしましょう、アンディ…」

「奴隷商人の元へ返す」

「そんなっ‼︎あんまりですっ‼︎」

「そしたら、お前が俺を嫌うのだろう?」

「はい」

「だから、俺に任せてくれ」



とにかく、『精算』が先だと。



< 282 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop