冷酷王子は子リス姫を愛でる
静かに首を横に振る。



そうだ。



それが正解だ。



「俺に毒を盛ったな?」

「毒っなどではっ‼︎」

「子どもの頃からこう言った類の物には慣れている。それでもここまで反応するとは、ずいぶんと強い薬だな。だが…残念なことに全くお前を抱く気になれん」

「そん、なっ…」

「そこまでして俺の子が欲しいか」

「そうしなきゃっ‼︎勝てないっ‼︎」

「わかった。お前は国に返す。俺に得体の知れない物を飲ませる女なんか信用できないからな。正当な理由ができた」

「なんでっ、どうしてですかっ‼︎」

「黙れ」



キリキリと締まる首に、怯えた表情。



このまま殺してもいいんだが。



さすがに王太子が側妃を殺すのはまずい。



まぁ、今さら俺が何をしたって噂が一個増えるだけだがな。



「お前を殺してしまったら、キャシーは俺を許さないだろう。命拾いしたな、マリアンヌ。お前が田舎姫だと蔑んだキャサリンに感謝するんだな。では、このグラスは鑑定に出して調べさせる」



放心状態のマリアンヌをアレンに任せた。



< 313 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop