冷酷王子は子リス姫を愛でる
マリアンヌも、キャシーに対抗心を燃やさなければ多少は目をかけてやったのに。



「そんなことが…」

「マリアンヌは罪人も同じ。もう、先はない」

「もし、私が同じことをしたら…?」

「…………キャシーに媚薬を盛られるのは大歓迎だな。むしろ盛ってほしいくらいだ」

「それでは平等ではないではないですかっ‼︎マリアンヌ様がかわいそうです…」

「なぜ平等に扱う必要がある。俺はお前しかいらないと言っているのに」



赤くなった顔が、恥ずかしそうに布団に隠れた。



キャシーになら毒を盛られても、きっと許してしまう。



お前に殺されるなら、別に後悔はない。



こんな気持ちだと、お前は知らないだろう?



「ならば、マリアンヌはどうする?またマリアンヌの元に渡れと言うのか?」

「それは、ヤダけど…。でも、子どもがいなきゃ…」

「デイジーとリオに任せればいい。王家の血が入っていれば問題ない。だから、そんなに考えるな。俺も父や宰相を黙らせる努力はする」

「はい…」



キャシーはただ、俺の隣にいてくれるだけでいいのだ。



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