冷酷王子は子リス姫を愛でる
その日から仕事に明け暮れ、日が経つのが早く感じた。



「どうかお気をつけて」

「あぁ、キャシーもな」

「寂しい…なんて、言ってはダメなのですが…」

「リチャードも明日から寮に入ると聞いた。何かあればリオを頼ってくれ」

「何もないですよ。私の心配より、ご自分の心配をなさってください」



軽いハグをして、馬車に乗り込む。



デイジーもリオも、キャシーの味方だから。



きっと力になってくれる。



走り出した馬車の中でも、仕事をする。



読んで、判断をして、書いて、印を押して…。



しんどい…。



揺れるし…。



「どうしてこんなに山のように仕事が残っているのだ…」

「リオ様が新事業にかかりきりだからですけど?」

「体がいくつあっても足りないな…」

「そうですねー。あっ、この書類こっちのと混ざってる…」



アレンには感謝している。



アレンがいるおかげで、仕事がスムーズに進むのだから。



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