冷酷王子は子リス姫を愛でる
とりあえず、早急に建築家や大工を集めた。



「どれほどの時間が必要なのだ」

「ひと月でしょうか。簡単な作りのものならば、そんなにかからずに作れます」

「では、急ぎ始めてくれ」



簡易的な家を作り、そこに住めるようにする。



資金は国が負担するのだが、あまり裕福ではないこの国には厳しいのだ。



「援助はする。しかし、一時的なものではどうにもならない」

「先を考えるということですね」

「利益につなげなければ、この国には未来はないぞ」

「厳しいお言葉、自分の無能さを思い知ります…」

「国王がそんなことでどうするのだ。民を導く者が前を向かなければ、後ろは付いてはこない」



国が滅んでしまう。



滞在中に、どうにかしなければ…。



「ひとまず、今日はこのくらいにしよう」



ものすごく疲れた。



道中で何度か盗賊に襲われたのも、この国の者だ。



このままにしてはおけない。



だけど、さすがに疲れた…。



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