冷酷王子は子リス姫を愛でる
魔力の消費を感じ、眠りにつく。



次の日はキャシーから聞いた『温泉』の話。



「入浴施設、ですか?」

「あぁ、宿にして料理も提供する。風呂にも入って、日頃の疲れを癒すような空間だ」

「それは…いいかもしれませんな。建設に、宿の使用人、料理人と、雇用が増えます」

「この土地に来なければ味わえないような、そんな付加価値があるといいのだが、それはあの湧き出す湯で解決できるのではないか?」

「早速議題にあげてみましょう」



ひとつではなく、いくつかの宿を作って雇用も増やす。



お湯はどれほど行き渡るのか、何人の雇用ができるのか。



「人が来れば街も潤いますな」

「新事業だな。資金ならシュナウトで負担するが、それは借金という形で返してもらう」

「はい。完成してから税を取り、返済に当てる形に」



すんなりと話が進み、家がない者に作る簡易的な家と、温泉の同時進行。



ありがたいことに、この地には建物を建てる職人が多くいる。



「うちの方からも職人を派遣しよう」

「助かります」



よし、これが成功することを祈る。



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