冷酷王子は子リス姫を愛でる
その日から話し合いに話し合いを重ねる日々。



あっ、今日はキャシーの誕生日だった…。



「アレン、俺はあちらに戻る」

「はいはい、いってらっしゃい。くれぐれも」

「子は作るな。だな?」

「えぇ、その通り」



まだ早い時間にキャシーの元へ飛んだ。



一瞬で姿を現した俺に驚き尻餅をついたジョアン。



「いやいやいや、驚きすぎではないか…?」

「こ、腰が抜けてしまいました…」

「驚かせてすまない。キャシーの誕生日を祝ってやりたかったのだ…」

「キャサリン様ならただいま食堂の方に…」

「食堂?それは厨房のことか…?」

「いえ、兵士訓練場の食堂で…」



あいつは何をしているのだ…?



あの男だらけの訓練場の食堂だと…?



「今すぐ連れてきてくれ。聞きたいことが山のようにあると」

「は、はいっ‼︎」



ピシッと立ち上がって走って行ったジョアン。



またふくよかになったな、ジョアン…。



夫とうまくいってるのだな。



よかったよかっ…よくない。



キャシーは何をやっているのだ。


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