冷酷王子は子リス姫を愛でる
部屋から出て行ったアンドリュー様はアレン様に飲み物と軽い食事を頼んできたようだ。



ここも王城なのよね…。



シュナウトと違って、ひとつの部屋にベッドとソファーがあり、そんなに広くない。



アンドリュー様のような立場の人が滞在する部屋ならば、この城でいちばん豪華な部屋でもおかしくないのに。



「どうした?」

「いえ、マリーナルのお城みたいだなぁと…」

「そうだな。この国はそんなに栄えてはいないからな。会議に使っている部屋も、それほど広くはない」

「なんだか実家へ帰った気分です」



変に落ち着くなぁ…。



シュナウトは王都がとっても栄えているし。



お城もきっと、大陸でいちばん大きいと思う。



ターシャの国のリッカーはお城というよりも風が通り抜ける神殿のような作りだったし。



初めて来たのに懐かしい…。



窓の外を見たり、部屋を見渡したり。



そんなことをしていたら、久しぶりのアレン様が料理と一緒にやって来た。



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