冷酷王子は子リス姫を愛でる
私を見るなり笑顔を向けてくれて、見慣れた顔にホッとする。



「ご無沙汰しております、キャサリン様」

「いえ、こちらこそ‼︎手間をとらせてしまって申し訳ありません」

「とんでもない。お誕生日、おめでとうございます」

「ありがとうございますっ‼︎」



ここは山に囲まれた国。



山菜や川魚が主に食べられているようだ。



アレンさんが並べてくれた料理を興味津々で見ていると、目の前にグラスが二つ置かれた。



「この地では果物が多く取れるようで、果実酒が有名なのですよ」

「これはなんの果物ですか…?」

「バイオレットレモンだそうです。普通のレモンよりも甘味が相当強いようなので、キャサリン様にもおいしく召し上がっていただけるかと。この地に湧く不思議な水と割っていますので、そんなにアルコールは高くないですよ」



シュワシュワしてる…?



これはまさかの…天然炭酸水⁉︎



「このお水だけいただけませんかっ⁉︎」

「えぇ、こちらです」



ビンに入れられたソレは、やはり炭酸水だった。



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