冷酷王子は子リス姫を愛でる
アンドリュー様の目が、今まで見たことないくらい怒っている。



だけど、引きたくない。



兵士の奥様方と一緒に料理をして、おいしいと言ってもらえて。



結婚してから初めて意味のあることを見つけたと思ったのに。



「厨房への立ち入りを自由に許可しているだろう」

「それとは違います」

「なにが違う‼︎これでも譲歩して好きなことをさせているのだぞ‼︎」

「譲歩…していたのですか」

「普通ならあんな場所へは立ち入り禁止だ‼︎」

「わかりました。今後一切、厨房へも食堂へも足を踏み入れません。それで満足ですか?」

「…………あぁ」

「もう、話すことはありません。治癒するので、シュナウトの私の部屋に送ってください」



アンドリュー様が私に対し声を荒げたのは初めてだった。



さっきまで幸せに満ち溢れていた胸が、とても苦しい。



なにも話さなくなったアンドリュー様の手を取って、治癒魔法をかけた。



そのままシュナウトへ飛び、治癒をしないままアンドリュー様は戻って行ってしまった。



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