冷酷王子は子リス姫を愛でる
父である国王は、深く椅子に座り、ワインを飲んでいる。



ルイが俺に飛びつき、抱き上げた。



「アンドリュー、水路の建設計画はどうなっている」

「なかなか難しい状況です。水源が遠すぎるため、完成までには長い年月がかかるかと」

「それをどうにかするのが、お前の役目だろう」

「承知しています。今度、視察に行こうかと」

「体は大丈夫なのか?」

「えぇ、問題ありません」



父とは、義務的な話というか、政治の話がほとんどだ。



コミュニケーションが、それくらいしかとれない。



遊んでもらった記憶もないし、俺はこの人を父と思っているのかどうかも疑問なくらいだ。



国王に従って生きている。



ただ、それだけの関係。



「あれ?兄上、ピアス少なくない?」

「あぁ、調子がいいからな。それに、見た目が悪いと、アレンに怒られてしまった」

「まぁねー。俺はワイルドで好きだけど、女子受けはしないだろうねー」



そうらしいな。



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