冷酷王子は子リス姫を愛でる
少しくらい大目に見てくれたっていいのに。



私だっていろいろなことを我慢してる。



アンドリュー様の妻として、頑張っているつもりだ。



空いている時間に好きなことをするのも許されないの?



ならば、私の存在って一体なに?



「あれ?早いお帰りですね」

「リーナ、もう、食堂へは行かないことにしたわ…」

「えっ?あんなに楽しそうだったのに…」

「もういいの。行ってはダメなんだって、アンドリュー様が仰ったから。もう、行かない…行かないわ」

「キャサリン様…」



ここ数日、楽しかったの。



マリーナルでやっていたことが、ここで役に立ったと思った。



リチャードもいなくて、アンドリュー様も近くにいなくて。



寂しさを埋めてくれたし、みんなの笑顔がもっと見たかった…。



「うぅぅぅぅ…」

「キャサリン様っ‼︎」

「もう、ヤダっ…。アンドリュー様のことはっ、好きだけどっ‼︎こんなのっカゴの中の鳥と一緒よ‼︎」



どうやら、私に自由はないようだ。



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