冷酷王子は子リス姫を愛でる
こっそりとリーナに状況を聞くと、あれ以来本当に食堂へは通っていないとのことだった。



なら、この笑顔は?



俺の言ったことが理解できたのか?



何事もなかったかのようなキャシーの笑顔。



なんだか、変な感じがするのだが…。



「どうでした?うまいこと立て直せそうですか?」

「あぁ、まぁ…」

「よかった。あっ、今日は一緒にご飯を食べられますか?」

「疲れているからな、執務は明日以降にする」

「わかりました。あっ、陛下のところへ挨拶に行くのですよね?」

「あぁ、行ってくる…」

「行ってらっしゃい」



やっぱり、ものすごく違和感を感じる…。



笑顔が、笑えてない気がしてならない。



父に挨拶をして、その足でファーガスの元へ足を運んだ。



「ファーガス」

「殿下っ‼︎おかえりなさいませ。長旅、さぞお疲れのことと」

「挨拶はいらん。普通に話がしたい」

「では、あちらへ」



訓練場を出て、近くの部屋へ入った。



< 373 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop