冷酷王子は子リス姫を愛でる
王妃とはあまり話したことがない。



側妃の子どもである俺が継承権1位なのが気に入らないんだろうとは思っている。



まぁ、王族なんてこんなものだ。



「今日は他国の王も来ているんだ、変な姿を見せるなよ」

「わかってるってー。俺、外面超いいかんねー」


ヘラヘラしている弟のリオにため息をつき、すでに眠そうにしているルイを撫でた。



今から長いってのに。



まぁ、子どもだから仕方がないな。



「ルイ、もうすぐ始まるんだ。眠っていては楽しめないぞ」

「うん…」

「自分で歩いて出られるな?」

「頑張ります…」



コテっと肩に置かれた頭に、無理かもしれないと笑った。



きっと、楽しみすぎて疲れたんだろう。



少し眠らせることにして、パーティーが始まる前になんとか起こした。



俺と手を繋ぎ、王族の紹介で前へ。



さっきの眠気はどこへやらといった感じに、会場を埋め尽くす人々を見て目を見開いていた。



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