冷酷王子は子リス姫を愛でる
細身のリチャードは、私とそう変わらない細さだったはずなのに。



「声、低くなってる…」

「成長期ですから」

「髪、どうしたの?」

「邪魔になったので切ったのですよ。変、ですか?」



サラサラヘアのリチャードはどこへ…?



短髪で…お猿さんみたい…。



可愛いことに変わりはないけれど‼︎



「男になってしまったぁぁぁ〜…」

「姉様、僕は元から男なのですが…」



わかってた。



いつか、リチャードもアンドリュー様やアレン様のように男らしい体つきになることは。



わかっていたのに。



私の天使が…急成長してしまった…。



受け入れたくない事実に、結構ショックを受けている私…。



「リチャード王子?お帰りなさいっ‼︎」

「おぉ、ジェード。学校では全く会わなかったね。やっぱり、初等部とは校舎が違うからかなぁ」

「大きくなった…」

「うん、かなり伸びたみたい。ジェードも、少し大きくなった?」

「僕は…大きくなった、ですよ?」



私の天使はジェード、あなたとルイ様しかいなくなってしまったわ…。



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