冷酷王子は子リス姫を愛でる
それって、もしかして…。



「私、まさか正妃様争奪戦に巻き込まれて…」

「ますね」

「すっ、すっごくヤダっ‼︎怖いっ‼︎」

「ですから、頂いた物に口をつけるなんてこと、絶対になさらないでくださいね」



それって毒殺されるってこと⁉︎



キッチンが欲しいと言ったのは正解だったかもしれない…。



誰かに殺されるなんて、まっぴらごめんよ‼︎



その時、小さく聞こえた鳴き声。



「リーナ、猫ちゃんがいるわ‼︎」

「あら、どこから来たんでしょう」



庭に出て、子猫を抱き上げる。



フワッフワだ‼︎



「ミー…」



だけど、とても弱々しい鳴き声。



抱き上げた体が、とても細い気がした。



「リーナ、子猫が食べられる物を用意してもらえないかしら」

「わ、わかりましたっ‼︎」



大丈夫、大丈夫よ。



私が治してあげる。



国にいた時も、傷ついた動物を癒したりしてたもん。



< 65 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop