冷酷王子は子リス姫を愛でる
だけど、俺はそんな彼女に惹かれている。



次の日にイヤイヤ呼び出したマリアンヌという王女は、見た目はキレイだと思う。



薄い紫色の髪に、同じ色の目。



「お会いできて光栄でございます、王太子殿下」

「あぁ」

「私をお妃候補に選んでいただけて、とても嬉しく思っております」



ニッコリ微笑む。



お前が毒入りケーキを送った犯人か。



よくもまぁ、俺にそんな笑顔が向けられるもんだ。



一緒にお茶を飲むだけという面会。



ひとりでペラペラと聞いていないことまで話し出して、俺も聞き流す。



「ところで殿下」

「なんだ?」

「正妃には、誰をお考えですの?」



直球できたな。



お前ではないことは確かだ。



「それを聞いて、どうするのだ?」

「心の準備がございますので」



お前はなんだ?



なにが欲しい。



権力か?



それとも、次期国王の隣か?



< 76 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop