冷酷王子は子リス姫を愛でる
着替えてからもう一眠りすると、体はだいぶ楽になっていた。



よし、お礼状を送ろう。



『お見舞いの品、ありがとうございました。お茶を飲んでから眠ったら、幾分体が楽になったように思います。あの時の子猫が大事にされてると聞き、大変嬉しく思っています。いただいた猫の宝石を見ると、少し国を思い出しました。大切にさせていただきます。寒くなってまいりましたので、殿下も無理をなさらず、体に気をつけてお過ごし下さい。キャサリン』



こんな感じで大丈夫だろうか…。



私も、誰かに手紙を送ったことがないことに気づき、悩みながら書いてみた。



「これ、殿下に届けてもらえるかしら」

「よろこんで‼︎」



リーナが意気揚々と部屋から出て行って、暗くなった外を窓から眺める。



あぁ、お魚が食べたい…。



エビやカニ、今の時期だと大きなカニが水揚げされるのよね…。



リチャードは揚げ物が好きで、カニクリームコロッケをよく作ったっけ。



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