人魚のお姫様
「なら、彼女との結婚を認めてくださいますか？彼女と結婚させてくれるのならば、王宮から離れることはありませんよ？」

「そうは言っても……！！」

王妃は真っ青な顔で何かを考えた後、エラをジッと見つめる。王妃の瞳の色は、ディランと同じだ。おまけに美しい。エラは思わずドキッとしてしまった。

しばらく王妃はエラを見つめた後、ため息をつく。

「あなたの選んだ人がどのような人か、私にはわかりません。そこで、お見合いに来ていただいた王女様たちと勝負をしていただきます」

王妃の言葉にエラは驚く。しかし、ディランは「面白そうですね」と笑った。

「待ってくださ……んんッ！！」

断ろうとしたエラは、またしてもディランにキスで口を塞がれる。エラはキスをされながら、どうなってしまうのかと不安を覚えた。



エラは、ワンピースからドレスに着替えさせられた。なぜかエラにぴったりのドレスをディランは何着も用意していたのだ。

「よく似合ってるな」

髪を結われ、宝石で着飾ったエラを見てディランが頰を赤く染める。
< 11 / 32 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop