人魚のお姫様
「えっ!?はっ!?」
昔仲良くなった男の子が王子!?とエラは混乱することしかできない。しかし、この国の王子の名前はディラン・インガムだ。新聞でエラも何度も目にしてきた。
「あの時の約束を果たしにきた。行くぞ」
嫁にする、と幼いディランが言っていたことを思い出し、エラは「あの時のことを!?」と顔を真っ赤にする。小さな子ども同士の約束だったはずだ。しかし、ディランはエラの手を優しく取っている。
「来い」
ふわりとエラの体が浮いた。ディランがエラを横抱きにしたのだ。エラは「下ろしてください!」と言うが、「暴れるな」と言われ大人しくする。
エラの家の前には立派な馬車が止まっていた。その中にエラは乗せられ、馬車は動き出したのだ。
エラの家から王宮までは三時間ほどでついた。村とは違う華やかな街並みに、エラの胸は緊張を訴え始める。
馬車の中でエラが「家に帰してください」と言っても、目の前に座っているディランは「もうお前は俺のものだ。逃がさねえ」と言うだけだった。
昔仲良くなった男の子が王子!?とエラは混乱することしかできない。しかし、この国の王子の名前はディラン・インガムだ。新聞でエラも何度も目にしてきた。
「あの時の約束を果たしにきた。行くぞ」
嫁にする、と幼いディランが言っていたことを思い出し、エラは「あの時のことを!?」と顔を真っ赤にする。小さな子ども同士の約束だったはずだ。しかし、ディランはエラの手を優しく取っている。
「来い」
ふわりとエラの体が浮いた。ディランがエラを横抱きにしたのだ。エラは「下ろしてください!」と言うが、「暴れるな」と言われ大人しくする。
エラの家の前には立派な馬車が止まっていた。その中にエラは乗せられ、馬車は動き出したのだ。
エラの家から王宮までは三時間ほどでついた。村とは違う華やかな街並みに、エラの胸は緊張を訴え始める。
馬車の中でエラが「家に帰してください」と言っても、目の前に座っているディランは「もうお前は俺のものだ。逃がさねえ」と言うだけだった。