彼氏はホスト!アタシはキャバ嬢!?
アタシはそんな陸斗に少し飽きれ顔。
でも…
「お店やるんだったら一緒にやろうよ。
陸斗が店長で、アタシが副店長。そんで、六本木イチのお店にするの。
キャバクラ+ホストクラブ、両方あるお店とかいいかもね♪」
なんて事を言って陸斗のおでこにデコピンをした。
「痛っ!」
「ははっ♪陸斗、大好きだよ!」
「な…っ!?」
目の前にいる陸斗は真っ赤になったけど…
本当だよ。大好きだから…
今の幸せがあるのも、きっとあの時支えてくれた人がいるから。
お母さんアタシ今、幸せだよ。
陸斗が傍にいてくれるから。
今度お母さんにあった時、きっと笑っていると思う。
アタシはベランダに出ると空を見上げた。
それに続くように陸斗も一緒に見上げる。
アタシにはお母さんが2人いる。
お父さんには捨てられた。
その事実は、過去は消えない。
だけど…愛しい人が傍にいる。
この事実も消えない。
「綺麗だな。」
「うん。」
陸斗の言った言葉に頷いた。
陸斗の握ってくれた手は暖かくて…
きっと、ずっと離さないよ。
空を見上げれば星達が眩しいくらいに輝いていて…
アタシは今日も思うよ。
未来は明るいんだって。
あの日、自分を傷つけてしまったアタシ。
手首の傷は消えなくて、アタシに残ったまま。
この傷が有る限り、アタシは過去を思い出してしまうかもしれない。
だけど…もう大丈夫。
あの日、アタシは…確かに
大事なものを
見つけたんだから…。
――――――END―――――――