ハッピーアイスクリーム
一通り食べたところで瞬くんがポケットからカメラを取り出した。

「さっきの……」

「うん?」

カメラを操作しながら、瞬くんは私に画面が見えるように差し出す。

「子供達、写真も撮っておいたよ」

「わあ!素敵!」

ページを送ると、披露宴会場に入る前からサプライズの歌を披露しているところ、終わったあと外でお菓子を貰っている姿。どれも自然体な子供達の写真がたくさん撮られている。
頼んだのは動画だけだったのに、こんなにもたくさん写真を撮ってくれていたなんて感激だ。

「いっぱい撮ってくれたんだね。子供達可愛いなぁ」

「ほんと可愛いね」

「これ、データ貰うことできる?」

「もちろん。よかったら現像もしてあげるよ」

「いやいや、そこまでは」

私は慌てて手を振って遠慮する。
だけど瞬くんは笑ってそれをいなした。

「俺、印刷関係の会社に勤めてて、写真もすぐに現像できるからさ」

「でも……」

「何て言うか、結衣ちゃんのために俺がしてあげたいだけ」

ぐっと返事に困った。
私のためって、そんな。
都合のいいように解釈してしまって、私の心臓は飛び跳ねる。同時に、体の体温が一気に上昇した。

「あの、ありがとう」

「うん」

かろうじて言えたお礼の言葉に、瞬くんは満足そうに頷いた。
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