【女の事件】十三日の金曜日
第14話
時は流れて…
3月13日の大潮の日の朝7時過ぎのことであった。
場所は、妻鳥町(めんどりちょう)にある一戸建ての2階建ての家にて…
家の居間には、ふきことふきこの夫・まさのり(45歳・自動車教習所勤務)と義弟のたけのり(38歳・製紙工場勤務)と母親(70代)とまさのりのいとこのゆかこ(26歳・JA職員・寿でやめるために結婚準備中のため有休)がいた。
テレビの画面には、朝のワイドニュース番組が映っていて、いまどきの挙式披露宴事情が特集されていた。
「もういらん!!行ってくるわ!!」
義弟・たけのりは、ワイドニュース番組の挙式披露宴の話題が気に入らないので、ものすごい血相で怒っていた。
たけのりは、ゆかこが作った朝ごはんをひとくちも食べずに家を出て職場へ向かった。
まさのりのいとこのゆかこは、6月頃に若水(新居浜市)にあるマック(ドラッグストア)に勤務しているしゅうさく(32歳)と挙式披露宴を挙げることが決まっていたので、幸せいっぱいである。
まさのりとたけのりは、母親がゆかこばかりをエコヒイキしていたので、おもしろくない表情をしていた。
まさのりが『テレビ消せ!!』と激怒していたので、ふきこは困った表情でこう言うた。
「どうしたのよあなた…」
「何や!!」
「どうして朝からそんなに怒っているのよ…」
「何やオドレ!!オドレもゆかことグルになってオレをグロウしているのか!!何が挙式披露宴の特集だ!!ふざけるな!!」
まさのりは、テレビにものを投げつけたあと、黒の手提げかばんを持って家から出ていった。
母親がものすごく困った表情を浮かべていた時に、ゆかこが声をかけた。
「おばさま…おばさま…」
「ゆかこちゃん…どうしたのよ一体…」
「おばさま…すみませんでした…まさのりさんとたけのりさんを怒らせるようなことを言うて…すみませんでした。」
ゆかこがもうしわけない表情であやまっていたので、ふきこはゆかこにやさしく言うた。
「ああ…ゆかこちゃん…気にしなくてもいいのよ…まさのりさんとたけのりさんは仕事がうまく行かないから気持ちがイライラとしていただけなのよ…」
「そう…でしょうか?」
「ゆかこちゃん…まさのりさんは結婚したいときにおばさまからがまんしてねと言われてがまんしていたのよ…おばさまがあちらこちらにお見合いのお願いをしていたけど、返事がくるまでだいぶ待たされていたのよ…たけのりさんは、身丈にあった相手がまだいないだけで、時期が来たら神さまが選んでくれるから大丈夫よ。」
「そうでしょうか?本当に神さまが結婚相手の女性を選んでくれるのでしょうか?」
「本当に本当よ。神さまはたけのりさんが1日も休まずにがんばって会社勤めをしていることは理解しているわよ…神さまが結婚相手を選んでくれると信じていれば、いいお相手に出会えるわよ…ねえ義母さま…」
「そうよね…神さまが選んでくれるから大丈夫…そんなことよりも、かつのりを呼んできてよ…ゆかこちゃんが作った朝ごはんが冷めてしまうよって…」
ふきこは、末の義弟・かつのり(30歳・大学生・無期限休学中)がいる2階の部屋の入り口のドアに行って、やさしい声で呼んでいた。
「かつのりさーん…朝ごはんできているわよ…早くしないとおつゆが冷めてしまうわよ…」
部屋の中にて…
かつのりの部屋は、窓は厚手のカーテンでしめきられていて、壁には別れたカノジョの写真がところ狭しと貼られていた上に、入り口のドアは家具でバリケードがはられていた。
かつのりは、部屋の中で一日中別れたカノジョのことを想ってメソメソメソメソ…と泣いてばかりいた。
ふきこは、かつのりはそのうち降りてくるだろうと想っていたので、居間へ戻った。
ふきこが居間に戻った時であった。
ゆかこがテレビのチャンネルを変えていた。
画面は朝8時のワイドショー番組が映っていた。
『おはようございます…ここでニュースが入りましたのでお伝えいたします。』
画面が報道センターに変わった後に、女性アナウンサーがあわただしい声でニュース速報を伝えていた。
『お伝えいたします…島根県警は先ほど7時50分頃に県警本部長からこの後すぐに重大発表をすると言う情報が入りました…』
画面が島根県警本部の記者会見場に変わった。
島根県警の本部長が記者たちの前に出た後に、ひと間隔を空けてからこう言うた。
『それでは、重大発表をいたします…8年前の2009年に浜田市で女子大生が殺害された事件で…当初事件の2日後に交通事故死で亡くなった30代の男が容疑者として書類送検をしていましたが…今日になって、亡くなった女子大生とかつて交際をしていた…住所不定で…四国地方に本籍地がある…30歳の休学中の大学生の男が…亡くなられた女子大生にストーカーをしていたことなど…複数のトラブルを起こしていたことが明らかになったので…再捜査をすることにしました。』
この時、2009年に島根県浜田市で女子大生が殺された事件で捜査をやり直すことと容疑者の特別手配を県警本部長が発表した。
島根県浜田市の女子大生が殺された事件って…
かつのりさんがかつて付き合っていたカノジョだわ…
ふきこは、ワイドショーが始まって早々に伝えられた重大発表のニュースを聞いたので、気持ちが不安定になっていた。
そしてこの時、恐ろしい悲劇の第2幕が始まった。
3月13日の大潮の日の朝7時過ぎのことであった。
場所は、妻鳥町(めんどりちょう)にある一戸建ての2階建ての家にて…
家の居間には、ふきことふきこの夫・まさのり(45歳・自動車教習所勤務)と義弟のたけのり(38歳・製紙工場勤務)と母親(70代)とまさのりのいとこのゆかこ(26歳・JA職員・寿でやめるために結婚準備中のため有休)がいた。
テレビの画面には、朝のワイドニュース番組が映っていて、いまどきの挙式披露宴事情が特集されていた。
「もういらん!!行ってくるわ!!」
義弟・たけのりは、ワイドニュース番組の挙式披露宴の話題が気に入らないので、ものすごい血相で怒っていた。
たけのりは、ゆかこが作った朝ごはんをひとくちも食べずに家を出て職場へ向かった。
まさのりのいとこのゆかこは、6月頃に若水(新居浜市)にあるマック(ドラッグストア)に勤務しているしゅうさく(32歳)と挙式披露宴を挙げることが決まっていたので、幸せいっぱいである。
まさのりとたけのりは、母親がゆかこばかりをエコヒイキしていたので、おもしろくない表情をしていた。
まさのりが『テレビ消せ!!』と激怒していたので、ふきこは困った表情でこう言うた。
「どうしたのよあなた…」
「何や!!」
「どうして朝からそんなに怒っているのよ…」
「何やオドレ!!オドレもゆかことグルになってオレをグロウしているのか!!何が挙式披露宴の特集だ!!ふざけるな!!」
まさのりは、テレビにものを投げつけたあと、黒の手提げかばんを持って家から出ていった。
母親がものすごく困った表情を浮かべていた時に、ゆかこが声をかけた。
「おばさま…おばさま…」
「ゆかこちゃん…どうしたのよ一体…」
「おばさま…すみませんでした…まさのりさんとたけのりさんを怒らせるようなことを言うて…すみませんでした。」
ゆかこがもうしわけない表情であやまっていたので、ふきこはゆかこにやさしく言うた。
「ああ…ゆかこちゃん…気にしなくてもいいのよ…まさのりさんとたけのりさんは仕事がうまく行かないから気持ちがイライラとしていただけなのよ…」
「そう…でしょうか?」
「ゆかこちゃん…まさのりさんは結婚したいときにおばさまからがまんしてねと言われてがまんしていたのよ…おばさまがあちらこちらにお見合いのお願いをしていたけど、返事がくるまでだいぶ待たされていたのよ…たけのりさんは、身丈にあった相手がまだいないだけで、時期が来たら神さまが選んでくれるから大丈夫よ。」
「そうでしょうか?本当に神さまが結婚相手の女性を選んでくれるのでしょうか?」
「本当に本当よ。神さまはたけのりさんが1日も休まずにがんばって会社勤めをしていることは理解しているわよ…神さまが結婚相手を選んでくれると信じていれば、いいお相手に出会えるわよ…ねえ義母さま…」
「そうよね…神さまが選んでくれるから大丈夫…そんなことよりも、かつのりを呼んできてよ…ゆかこちゃんが作った朝ごはんが冷めてしまうよって…」
ふきこは、末の義弟・かつのり(30歳・大学生・無期限休学中)がいる2階の部屋の入り口のドアに行って、やさしい声で呼んでいた。
「かつのりさーん…朝ごはんできているわよ…早くしないとおつゆが冷めてしまうわよ…」
部屋の中にて…
かつのりの部屋は、窓は厚手のカーテンでしめきられていて、壁には別れたカノジョの写真がところ狭しと貼られていた上に、入り口のドアは家具でバリケードがはられていた。
かつのりは、部屋の中で一日中別れたカノジョのことを想ってメソメソメソメソ…と泣いてばかりいた。
ふきこは、かつのりはそのうち降りてくるだろうと想っていたので、居間へ戻った。
ふきこが居間に戻った時であった。
ゆかこがテレビのチャンネルを変えていた。
画面は朝8時のワイドショー番組が映っていた。
『おはようございます…ここでニュースが入りましたのでお伝えいたします。』
画面が報道センターに変わった後に、女性アナウンサーがあわただしい声でニュース速報を伝えていた。
『お伝えいたします…島根県警は先ほど7時50分頃に県警本部長からこの後すぐに重大発表をすると言う情報が入りました…』
画面が島根県警本部の記者会見場に変わった。
島根県警の本部長が記者たちの前に出た後に、ひと間隔を空けてからこう言うた。
『それでは、重大発表をいたします…8年前の2009年に浜田市で女子大生が殺害された事件で…当初事件の2日後に交通事故死で亡くなった30代の男が容疑者として書類送検をしていましたが…今日になって、亡くなった女子大生とかつて交際をしていた…住所不定で…四国地方に本籍地がある…30歳の休学中の大学生の男が…亡くなられた女子大生にストーカーをしていたことなど…複数のトラブルを起こしていたことが明らかになったので…再捜査をすることにしました。』
この時、2009年に島根県浜田市で女子大生が殺された事件で捜査をやり直すことと容疑者の特別手配を県警本部長が発表した。
島根県浜田市の女子大生が殺された事件って…
かつのりさんがかつて付き合っていたカノジョだわ…
ふきこは、ワイドショーが始まって早々に伝えられた重大発表のニュースを聞いたので、気持ちが不安定になっていた。
そしてこの時、恐ろしい悲劇の第2幕が始まった。