【女の事件】十三日の金曜日
第19話
3月20日のことであった。
まさのりは、6ヶ月以上も教習所に来なかった教習生たちの家にサイソクに行って、未納分の料金の倍額徴収と契約解除などをしていた。
しかし、あと8人の教習生がサイソクに応じていないので、まさのりはものすごく困っていた。
まさのりが教習所に帰って来た時、ゲンナリとした表情になっていた。
その日の夕方5時過ぎのことであった。
上の人から頼まれていたお仕事を終えて教習所に帰ってきたまさのりのもとに、課長さんがもうしわけない表情でやって来た。
「まさのりさん。」
「課長。」
「まさのりさん大丈夫かなぁ…」
「大丈夫じゃございませんよ!!課長!!こっちはものすごくつらいので、心身共にヒヘイしているのですよ!!」
「まさのりさんに無理をお願いしてホンマにすまんことしたとおもてんねん…」
「そない思うのであれば助けてくださいよ!!6ヶ月以上も教習所に来てへん教習生のサイソクに行くのがどれだけきついかと言うことを…」
「わかってんねん…せやけど、春休みの教習生たちを急いで卒業させなければならへんさかいに…こっちもものすごくつらいねん…」
「課長!!」
「そないに怒らんでもええやん。」
「課長…」
「まさのりさん…まさのりさんがうちの教習所に出向で来てからもう7年になるよね…」
「出向がイヤだから、銀行やめてこっちへ転職したのです!!」
「せやったな…」
「ぼくは、単年契約で雇い入れ通知書を更新しながらここで働いてきたのですよ!!ガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンして…課長はなにもかもをガマンして働いているぼくの気持ちなんかどーでもええのですね!!」
「わかってんねん…今、そないに想ってはった頃やさかいと想って…」
「話があると言うのでおますか?」
「せや。」
「すんまへんけど、また後日にしてください!!」
「後日って…今日のうちに話さへんと…」
「今日はものが言えんくらいにしんどいねん!!後日にしてと言ったら後日にせえや!!」
「せやったな…今日はものが言えんくらい疲れているから、また今度にしよわい。」
まさのりは、課長さんに『お先に…』と言うたあと、四角の手提げカバンを持って教習所をあとにした。
課長さんは、まさのりが単年契約の契約社員でお給料が少ないことなどの待遇面の不満があってもガマンして働いていたので、四国中央市内の別の事業所へ転向させたいと思っていた。
正規雇用で、週休はローテーションで2日あって、お給料は少しだけ上がる…転向先の事業所はまさのりがきびきびと動くことができるので、来てほしいと言うていた。
課長さんは、早いうちに転向先の事業所へ移してあげたいと思って、まさのりに話をしようとしていた。
しかし、まさのりが拒否したので話をすることができなかった。
いつになれば話に応じてくれるのか…
いっつもしんどいねんとばかり言うけれど…
いつだったら、聞いてもらえるんや…
課長さんは、アイマイな態度を取っているまさのりにイラついていた。
その日の夜7時過ぎのことであった。
ところ変わって、妻鳥町のまさのりの実家にて…
家の居間には、たけのりと母親とゆかこがいた。
たけのりは、ごはんをバフバフバフバフバフバフバフバフバフ…と食べていたので、ゆかこはものすごくやりにくい表情をしていた。
母親は、たけのりがもうすぐ40になると言うのに、どうしてお嫁さんが来ないのかなと想っていたので、ゆかこに八つ当たりをした。
「ゆかこ!!」
「おばさま…」
「ゆかこ!!あんたはたけのりが今どないな気持ちになっているのかわかっとんかしら!!」
「たけのりさんが…今どんな気持ちになっているのかって…」
「たけのりはもうすぐ40になるのよ!!40!!」
「たけのりさんが40になるからなんだと言いたいのですか?」
「たけのりと同い年のこたちは、結婚をして家庭を持っているのよ!!『3人目の赤ちゃんが生まれました。』『うちの子は来月小学校の入学式なのよ。』とか『うちのダンナは主任から次長に昇進したのよ。』…などの話を聞いているのよ!!それなのにどーしてたけのりにはお嫁さんが来てくれへんのかと想わんのかしら!!」
「おばさま…たけのりさんと年が近い人でも結婚していない人はいるけど…」
「口答えをするな!!あんたはまさのりとたけのりとかつのりをグロウしたのだから、あんたのことをのろい殺すわよ!!」
「おばさま!!あんまりですわ!!」
「ゆかこ!!のろい殺されたくないのだったら親がいる実家へ帰ってくれるかしら!?」
「アタシに出て行けって言うことなのですか!?」
「ええそのつもりよ!!あんたはナマケモノだから、婚約者のカレと結婚する意思がないようね!!ほじゃけん、強制的に超エリートの家の息子さんとのお見合いを入れておいたから、覚悟しておきなさいよ!!」
「そんな~」
「それと、かつのりは近いうちに南国市の福祉施設へ押し込めることにしたから…かつのりは、島根の大学にいた時に好きだったガールフレンドにふられたことをビービービービービービービービー泣きまくっているから、ボコボコに殴りつけて、家から追い出したけん…」
「おばさま!!」
「うちのやり方に文句あるのかしら!!」
ゆかこは、おばからすごまれたので、反論することができなかった。
たけのりは、白いごはんだけを食べた後、『もういらん!!』とゆかこに怒鳴りつけて、外へ出て行った。
ゆかこは、ますますやりにくい表情になっていた。
翌朝のことであった。
かつのりは、前日にまさのりとたけのりに強烈な力で部屋から引っ張り出されて暴行されたあと、施設の車に無理やり乗せられて施設へ連れてゆかれた。
まさのりとたけのりは、かつのりが使っていた部屋の壁にたくさん貼っていたガールフレンドの写真など…かつのりが使っていた品物を全部ドラム缶に入れて燃やしてしまった。
かつのりが使っていた部屋は、物を押し込めるだけの物置と化していた。
母親は、市役所へ行ってかつのりを戸籍から外す手続きを取ったので、かつのりは帰る家をなくしてしまった。
その一方で、ゆかこは婚約者のカレと結婚することをやめると訣意(けつい)したのと同時にまさのりの母親に『お見合いをします。』と言うた。
ゆかこは、まさのりの母親の言いなりになって、お見合いをすることになった。
かつのりの問題が解決したこととゆかこが言うことを聞いてくれたのでめでたしめでたし…
…と言いたいところあるが、恐ろしい悲劇はまだ続いて行くのであった。
まさのりは、6ヶ月以上も教習所に来なかった教習生たちの家にサイソクに行って、未納分の料金の倍額徴収と契約解除などをしていた。
しかし、あと8人の教習生がサイソクに応じていないので、まさのりはものすごく困っていた。
まさのりが教習所に帰って来た時、ゲンナリとした表情になっていた。
その日の夕方5時過ぎのことであった。
上の人から頼まれていたお仕事を終えて教習所に帰ってきたまさのりのもとに、課長さんがもうしわけない表情でやって来た。
「まさのりさん。」
「課長。」
「まさのりさん大丈夫かなぁ…」
「大丈夫じゃございませんよ!!課長!!こっちはものすごくつらいので、心身共にヒヘイしているのですよ!!」
「まさのりさんに無理をお願いしてホンマにすまんことしたとおもてんねん…」
「そない思うのであれば助けてくださいよ!!6ヶ月以上も教習所に来てへん教習生のサイソクに行くのがどれだけきついかと言うことを…」
「わかってんねん…せやけど、春休みの教習生たちを急いで卒業させなければならへんさかいに…こっちもものすごくつらいねん…」
「課長!!」
「そないに怒らんでもええやん。」
「課長…」
「まさのりさん…まさのりさんがうちの教習所に出向で来てからもう7年になるよね…」
「出向がイヤだから、銀行やめてこっちへ転職したのです!!」
「せやったな…」
「ぼくは、単年契約で雇い入れ通知書を更新しながらここで働いてきたのですよ!!ガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンして…課長はなにもかもをガマンして働いているぼくの気持ちなんかどーでもええのですね!!」
「わかってんねん…今、そないに想ってはった頃やさかいと想って…」
「話があると言うのでおますか?」
「せや。」
「すんまへんけど、また後日にしてください!!」
「後日って…今日のうちに話さへんと…」
「今日はものが言えんくらいにしんどいねん!!後日にしてと言ったら後日にせえや!!」
「せやったな…今日はものが言えんくらい疲れているから、また今度にしよわい。」
まさのりは、課長さんに『お先に…』と言うたあと、四角の手提げカバンを持って教習所をあとにした。
課長さんは、まさのりが単年契約の契約社員でお給料が少ないことなどの待遇面の不満があってもガマンして働いていたので、四国中央市内の別の事業所へ転向させたいと思っていた。
正規雇用で、週休はローテーションで2日あって、お給料は少しだけ上がる…転向先の事業所はまさのりがきびきびと動くことができるので、来てほしいと言うていた。
課長さんは、早いうちに転向先の事業所へ移してあげたいと思って、まさのりに話をしようとしていた。
しかし、まさのりが拒否したので話をすることができなかった。
いつになれば話に応じてくれるのか…
いっつもしんどいねんとばかり言うけれど…
いつだったら、聞いてもらえるんや…
課長さんは、アイマイな態度を取っているまさのりにイラついていた。
その日の夜7時過ぎのことであった。
ところ変わって、妻鳥町のまさのりの実家にて…
家の居間には、たけのりと母親とゆかこがいた。
たけのりは、ごはんをバフバフバフバフバフバフバフバフバフ…と食べていたので、ゆかこはものすごくやりにくい表情をしていた。
母親は、たけのりがもうすぐ40になると言うのに、どうしてお嫁さんが来ないのかなと想っていたので、ゆかこに八つ当たりをした。
「ゆかこ!!」
「おばさま…」
「ゆかこ!!あんたはたけのりが今どないな気持ちになっているのかわかっとんかしら!!」
「たけのりさんが…今どんな気持ちになっているのかって…」
「たけのりはもうすぐ40になるのよ!!40!!」
「たけのりさんが40になるからなんだと言いたいのですか?」
「たけのりと同い年のこたちは、結婚をして家庭を持っているのよ!!『3人目の赤ちゃんが生まれました。』『うちの子は来月小学校の入学式なのよ。』とか『うちのダンナは主任から次長に昇進したのよ。』…などの話を聞いているのよ!!それなのにどーしてたけのりにはお嫁さんが来てくれへんのかと想わんのかしら!!」
「おばさま…たけのりさんと年が近い人でも結婚していない人はいるけど…」
「口答えをするな!!あんたはまさのりとたけのりとかつのりをグロウしたのだから、あんたのことをのろい殺すわよ!!」
「おばさま!!あんまりですわ!!」
「ゆかこ!!のろい殺されたくないのだったら親がいる実家へ帰ってくれるかしら!?」
「アタシに出て行けって言うことなのですか!?」
「ええそのつもりよ!!あんたはナマケモノだから、婚約者のカレと結婚する意思がないようね!!ほじゃけん、強制的に超エリートの家の息子さんとのお見合いを入れておいたから、覚悟しておきなさいよ!!」
「そんな~」
「それと、かつのりは近いうちに南国市の福祉施設へ押し込めることにしたから…かつのりは、島根の大学にいた時に好きだったガールフレンドにふられたことをビービービービービービービービー泣きまくっているから、ボコボコに殴りつけて、家から追い出したけん…」
「おばさま!!」
「うちのやり方に文句あるのかしら!!」
ゆかこは、おばからすごまれたので、反論することができなかった。
たけのりは、白いごはんだけを食べた後、『もういらん!!』とゆかこに怒鳴りつけて、外へ出て行った。
ゆかこは、ますますやりにくい表情になっていた。
翌朝のことであった。
かつのりは、前日にまさのりとたけのりに強烈な力で部屋から引っ張り出されて暴行されたあと、施設の車に無理やり乗せられて施設へ連れてゆかれた。
まさのりとたけのりは、かつのりが使っていた部屋の壁にたくさん貼っていたガールフレンドの写真など…かつのりが使っていた品物を全部ドラム缶に入れて燃やしてしまった。
かつのりが使っていた部屋は、物を押し込めるだけの物置と化していた。
母親は、市役所へ行ってかつのりを戸籍から外す手続きを取ったので、かつのりは帰る家をなくしてしまった。
その一方で、ゆかこは婚約者のカレと結婚することをやめると訣意(けつい)したのと同時にまさのりの母親に『お見合いをします。』と言うた。
ゆかこは、まさのりの母親の言いなりになって、お見合いをすることになった。
かつのりの問題が解決したこととゆかこが言うことを聞いてくれたのでめでたしめでたし…
…と言いたいところあるが、恐ろしい悲劇はまだ続いて行くのであった。