【女の事件】十三日の金曜日
第25話
日付が変わって、5月10日の深夜2時過ぎのことであった。
場所は、妻鳥町にあるまさのりの家にて…
家の居間の食卓には、ふきこが作ったオムライスとグリーンサラダが、食べていない状態のままで置かれていた。
家の居間には、ふきこと義母がいて、たけのりの帰りを待ち続けていた。
そこへ、たけのりが帰宅をしてきた。
母親は、たけのりが帰ってくるなり怒った口調で言うた。
「たけのり!!あんた何考えとんで!!」
「なんだよぅ…」
「たけのり!!あんたが職場放棄をして、ひとさまの車に乗り込んでゆくところを近所の人がみていたことを聞いたけん、おかあちゃんは思い切り怒っとんのよ!!」
「義母さまやめてください!!」
「ふきこさんは口出ししないでちょうだい!!」
「義母さま!!」
「カンケーないもんは黙っていなさい!!たけのり!!」
「やかましいオドレ!!さっきから聞いていたらオレのことをグロウするだけグロウしやがって!!ふざけるなよ!!オレはもう、工場をやめてーのだよ!!」
「たけのり!!」
「やかましいオドレ!!ワーーーーーーーーーーーッ!!ワーーーーーーーーーーーッ!!」
(ガシャーン!!)
たけのりは、ふきこが作った料理をひっくり返した後、家の中で暴れまわっていた。
母親は、ふきこに『ふきこさんがえらそうなふるまいをしていたから、たけのりが暴れてしまったのよ!!』と強烈な声で怒鳴りつけた。
ふきこは、義母が発した言葉が原因で生きて行く気力を喪くして(なくして)しまった。
それから9時間後のことであった。
場所は、まさのりが勤務している自動車教習所にて…
教習所は、春休みからゴールデンウィークの若い人たちの教習生たちでごった返していたので、あわただしくなっていた。
まさのりは、6ヶ月以上も教習所に来ていない教習生の未納分の教習料金の請求書とトクソク状を作る仕事をしていた。
そんな中で、課長さんがまさのりのもとへやって来た。
「まさのりさん。」
「課長。」
「ちょっと話があるけどかまん?」
「あとにしてください!!」
「あとにしてくださいって…それじゃ、いつになったらお話ができるのかなぁ…」
「せやから、夕方の帰る時間になってからにしてくださいと言うてはるでしょ!!」
「まさのりさん…」
「課長、オレこれからサイソクに行ってけん、話があるならば帰ってからにしてください!!」
「わかったよぉ…5分で終わるから5分だけいいかなぁ…」
「せやから5分で終わる話って言うのであれば手短にしてください!!」
「わかったよぉ…まさのりさん…話と言うのはねぇ…たけのりさんのことだけど…」
「たけのりがどうかしたのでしょうか?」
「まさのりさん…たけのりさん…いつ頃から職場放棄をするようになったのかなぁ?」
「課長!!たけのりは甘ったれているのです!!職場の規律にたてつくだけたてついて、甘ったれているのです!!課長!!聞いていますか!?オレは何もかもをがまんして、安いお給料で単年契約で更新できるようにがんばっているのに、たけのりは自由と権利ばかり主張して育ったけんクソたわけた男になったんや!!課長!!」
「分かっているよぉ…まさのりさんの気持ちはよくわかるよぉ…だけどね…」
「課長!!たけのりはどうしようもないドタワケだから、助けを求めてきても一切助けません!!」
「せやけど、まさのりさんはこのままでいいと思っているのかなぁ…」
「せやからどーせいと言うのですか!?」
「せやから、もう一度家族みんなで話し合うことはでけんのかなぁ…」
「せやから、家族で何を話し合えと言うのですか!?」
「まさのりさん…」
課長さんは、ものすごくしんどい表情でまさのりに大きめのリーフレットを出してからこう言うた。
「まさのりさん…たけのりさんが今の職場に強い不満があるなら、市外…いや、県外の工場へ転職した方がええと思うけど…そう思って、これをもって来たのだよ…」
「それは、なんでしょうか?」
「大分県にあるCanon(キャノン・カメラメーカー)の工場の従業員さん募集のリーフレットなんだよぉ…」
「大分県にあるCanonの工場って…」
「今の職場とくらべると、待遇はいいのだよ…従業員さんの寮があって、掃除洗濯食事の世話つきで、お給料は天引き貯金できるのだよ…リーフレットを渡しておくから…あとは家へ持ち帰って検討すればいいよ…」
課長さんは、まさのりにこう言うたあと、言その場から離れた。
まさのりは、サイソクに行くついでにハローワークへ行って、7月に開催される就職説明会に申し込みをした。
その日の夜のことであった。
まさのりは、家に帰った後にふきこに『たけのりに大分県のCanonの工場の就職説明会に申し込んだから履歴書を書けとたけのりに命令しておけ!!』と突き放す声で言うた。
ふきこは『あんまりすぎるわ!!』と言うて怒鳴り返したので、ひどい大ゲンカになってしまった。
「ふきこ!!テイシュが命令を下したのに命令にしたがわないのはどういうことや!!テイシュの言うことにしたがえと言うたらしたがえ!!」
「あなた!!いくらなんでもひどすぎるわよ!!どうしてたけのりさんの意向を聞こうとしないのよ!!」
「たけのりの意向なんか聞く必要なんかない!!たけのりは、自由と権利ばかり主張していたから虫ケラ以下ドタワケで社会に順応しない不適格者や!!」
「あなた!!」
「たけのりの意向を聞くひまなど1秒もない!!もうハローワークに就職説明会に申し込みをしたから取り消すことはでけん!!オドレはたけのりに履歴書を書かせて、面接の本を読んで勉強せいと言うておけ!!言うことが聞こえないのか!!ナマクラ!!オレの命令には絶対服従だ!!分かっていたら返事しろ!!ナマケモノが!!ワーーーーーーーーーーーッ!!」
ふきこは、まさのりから強烈な文言でなじられたので、生きて行くことがイヤになってしまった。
この時、ふきことまさのりは結婚生活を続けて行くことは完全に不可能になっていた。
ここから、家庭崩落が発生するまでのカウントダウンが始まった。
場所は、妻鳥町にあるまさのりの家にて…
家の居間の食卓には、ふきこが作ったオムライスとグリーンサラダが、食べていない状態のままで置かれていた。
家の居間には、ふきこと義母がいて、たけのりの帰りを待ち続けていた。
そこへ、たけのりが帰宅をしてきた。
母親は、たけのりが帰ってくるなり怒った口調で言うた。
「たけのり!!あんた何考えとんで!!」
「なんだよぅ…」
「たけのり!!あんたが職場放棄をして、ひとさまの車に乗り込んでゆくところを近所の人がみていたことを聞いたけん、おかあちゃんは思い切り怒っとんのよ!!」
「義母さまやめてください!!」
「ふきこさんは口出ししないでちょうだい!!」
「義母さま!!」
「カンケーないもんは黙っていなさい!!たけのり!!」
「やかましいオドレ!!さっきから聞いていたらオレのことをグロウするだけグロウしやがって!!ふざけるなよ!!オレはもう、工場をやめてーのだよ!!」
「たけのり!!」
「やかましいオドレ!!ワーーーーーーーーーーーッ!!ワーーーーーーーーーーーッ!!」
(ガシャーン!!)
たけのりは、ふきこが作った料理をひっくり返した後、家の中で暴れまわっていた。
母親は、ふきこに『ふきこさんがえらそうなふるまいをしていたから、たけのりが暴れてしまったのよ!!』と強烈な声で怒鳴りつけた。
ふきこは、義母が発した言葉が原因で生きて行く気力を喪くして(なくして)しまった。
それから9時間後のことであった。
場所は、まさのりが勤務している自動車教習所にて…
教習所は、春休みからゴールデンウィークの若い人たちの教習生たちでごった返していたので、あわただしくなっていた。
まさのりは、6ヶ月以上も教習所に来ていない教習生の未納分の教習料金の請求書とトクソク状を作る仕事をしていた。
そんな中で、課長さんがまさのりのもとへやって来た。
「まさのりさん。」
「課長。」
「ちょっと話があるけどかまん?」
「あとにしてください!!」
「あとにしてくださいって…それじゃ、いつになったらお話ができるのかなぁ…」
「せやから、夕方の帰る時間になってからにしてくださいと言うてはるでしょ!!」
「まさのりさん…」
「課長、オレこれからサイソクに行ってけん、話があるならば帰ってからにしてください!!」
「わかったよぉ…5分で終わるから5分だけいいかなぁ…」
「せやから5分で終わる話って言うのであれば手短にしてください!!」
「わかったよぉ…まさのりさん…話と言うのはねぇ…たけのりさんのことだけど…」
「たけのりがどうかしたのでしょうか?」
「まさのりさん…たけのりさん…いつ頃から職場放棄をするようになったのかなぁ?」
「課長!!たけのりは甘ったれているのです!!職場の規律にたてつくだけたてついて、甘ったれているのです!!課長!!聞いていますか!?オレは何もかもをがまんして、安いお給料で単年契約で更新できるようにがんばっているのに、たけのりは自由と権利ばかり主張して育ったけんクソたわけた男になったんや!!課長!!」
「分かっているよぉ…まさのりさんの気持ちはよくわかるよぉ…だけどね…」
「課長!!たけのりはどうしようもないドタワケだから、助けを求めてきても一切助けません!!」
「せやけど、まさのりさんはこのままでいいと思っているのかなぁ…」
「せやからどーせいと言うのですか!?」
「せやから、もう一度家族みんなで話し合うことはでけんのかなぁ…」
「せやから、家族で何を話し合えと言うのですか!?」
「まさのりさん…」
課長さんは、ものすごくしんどい表情でまさのりに大きめのリーフレットを出してからこう言うた。
「まさのりさん…たけのりさんが今の職場に強い不満があるなら、市外…いや、県外の工場へ転職した方がええと思うけど…そう思って、これをもって来たのだよ…」
「それは、なんでしょうか?」
「大分県にあるCanon(キャノン・カメラメーカー)の工場の従業員さん募集のリーフレットなんだよぉ…」
「大分県にあるCanonの工場って…」
「今の職場とくらべると、待遇はいいのだよ…従業員さんの寮があって、掃除洗濯食事の世話つきで、お給料は天引き貯金できるのだよ…リーフレットを渡しておくから…あとは家へ持ち帰って検討すればいいよ…」
課長さんは、まさのりにこう言うたあと、言その場から離れた。
まさのりは、サイソクに行くついでにハローワークへ行って、7月に開催される就職説明会に申し込みをした。
その日の夜のことであった。
まさのりは、家に帰った後にふきこに『たけのりに大分県のCanonの工場の就職説明会に申し込んだから履歴書を書けとたけのりに命令しておけ!!』と突き放す声で言うた。
ふきこは『あんまりすぎるわ!!』と言うて怒鳴り返したので、ひどい大ゲンカになってしまった。
「ふきこ!!テイシュが命令を下したのに命令にしたがわないのはどういうことや!!テイシュの言うことにしたがえと言うたらしたがえ!!」
「あなた!!いくらなんでもひどすぎるわよ!!どうしてたけのりさんの意向を聞こうとしないのよ!!」
「たけのりの意向なんか聞く必要なんかない!!たけのりは、自由と権利ばかり主張していたから虫ケラ以下ドタワケで社会に順応しない不適格者や!!」
「あなた!!」
「たけのりの意向を聞くひまなど1秒もない!!もうハローワークに就職説明会に申し込みをしたから取り消すことはでけん!!オドレはたけのりに履歴書を書かせて、面接の本を読んで勉強せいと言うておけ!!言うことが聞こえないのか!!ナマクラ!!オレの命令には絶対服従だ!!分かっていたら返事しろ!!ナマケモノが!!ワーーーーーーーーーーーッ!!」
ふきこは、まさのりから強烈な文言でなじられたので、生きて行くことがイヤになってしまった。
この時、ふきことまさのりは結婚生活を続けて行くことは完全に不可能になっていた。
ここから、家庭崩落が発生するまでのカウントダウンが始まった。