【女の事件】十三日の金曜日
第3話
ふきこは、11月22日に久秀が持っていたナイフで顔を切りつけられた事件が原因で心にもっとも深い傷を負ってしまった。

それと同時に『アタシが悪者になれば入江の家がよくなるのよ…』とひねくれてしまった。

そして、12月22日に糸魚川で発生した大火の時に久通から『放火魔の娘』となじられた上にあつこの挙式披露宴を台無しにしたので『披露宴をぶち壊したのだから、命でつぐなえ!!』と凄まれた。

このままでは、入江の家に殺されてしまうので離婚したいと思っていた。

しかし、もとの職場の上司にメイワクをかけていたイキサツがあったので、メンモクをつぶしたくないと言う気持ちが強いので離婚することができない。

ふきこは、久秀や久通から暴力をふるわれても『助けを求めてもムダだから、泣き寝入りするしかない…』と思ってあきらめている。

久秀は、ふきこと久通が結婚をしたこととあつこのお見合いがまとまった時から、家族からのけ者にされていた。

11月22日に、テレビのチャンネルを変えられたことに腹を立ててふきこの顔にナイフで切りつけて大ケガを負わせたつけた事件について、久秀は『あつこからダメ出しを言われたことにむしゃくしゃしていたから、義姉をナイフで切りつけた…殺すつもりだった。』と言うていた。

どうして、久秀は怒りの矛先をふきこに向けたのか?

ふきこは『久秀さんから怒りを買うようなことはしていない…思い当たるふしがない…』と言うて困惑していたが、久秀に凄まれたので『原因はアタシにある…』と言うて泣き寝入りした。

それで久秀とふきこが握手して、仲直りして解決…

久通の家は、どこのどこまでいかれているのだろうか…あきれたわ…と言うのがスジである。

年が明けて2017年1月7日のことであった。

この日、駅通りにある久通の実家の居間に久秀の小学校時代にクラスが一緒だった友人の男性(製紙工場勤務)が婚約者の女性(28歳・信金職員)を連れてあいさつに来ていた。

ふたりは、愛媛県の結婚支援センターの主催のお見合いイベントで出会って、3ヶ月のお付き合いをへて1月14日に挙式披露宴を挙げることを決めたことを久秀の両親とあつことふきこに話していたので、6人は楽しくお話をしていた。

そんな中で、友人の男性は久秀はお嫁さんいるのかなと聞いたので、母親が『久秀は…まだなのよ…』と答えた。

この時、あつこが『久秀お兄ちゃんは男前だからなーんにもしなくてもお嫁さんは自然に来てくれるから…』と言うてから、心配するようなことではないと伝えた。

けれど、あつこが言うた言葉の中にタメ口が含まれていると言うことなどおかまいなしにペラペラペラペラペラペラペラペラとしゃべりまくっていた。

そうしたことが原因で、1月13日に恐ろしい事件がキンリンで発生した。

1月13日の昼前のことであった。

場所は、国道11号付近の港通りにある係留場付近の地区にて…

この日は大潮なので、潮位がめちゃめちゃ高くて、道路に海水があふれそうになっていた。

恐ろしい事件は、係留場の付近にあるマンスリーアパートで発生した。

時は、満潮の時間帯の11時過ぎのことであった。

マンスリーアパートで暮らしている女性の部屋に、ゾンビの覆面をかぶっていて黒のジャンパー姿の男10人が集団で部屋に押し掛けた後、女性を監禁して、チェーンソーを使って女性をおどしていた。

おどされた女性は、こともあろうに久秀の友人の婚約者の女性だった。

(ギュイイイイイイン!!ギュイイイイイイン!!)

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「さわぐな!!」
「いっ…イヤ…イヤ…助けて…助けてイヤ!!」

ゾンビの覆面をかぶった男たちは、電動ノコギリで久秀の友人の婚約者の女性をイカクした後、その場に倒して、集団で押さえつけた後、白のブラウスを思い切り破いて、白のブラジャーを引きちぎった。

(ビリビリビリ!!ブチッ!!)

「イヤァァァァァ!ァァァァァァァァァァァァァァァ!!(婚約者)さーん!!助けて!!」

(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!)

「痛い!!痛い!!痛い!!」

リーダーの男が、久秀の友人の婚約者の女性の顔をグーで殴った後、集団でしつように犯していた。

「イヤァァァァァ!!おかーさーん!!おかーさーん助けて!!イヤァァァァァ!!イヤァァァァァ!!」

それから180分後のことであった。

ふきこは、あつこから頼まれて久秀の友人の婚約者の女性が暮らしている部屋へお祝いの品物を届けてほしいとお願いされていたので、女性が暮らしている部屋へ行った。

この時、久秀の友人が係留場の岸壁から飛び降りて海に墜ちようとしているところを目撃したので『やめて!!』と叫んだ。

しかし、久秀の友人の男性は『死んでやる!!』と叫んで頭から海へ飛び込んだあと、海の底に沈んでしまった。

大変だ…

婚約者の女性に知らせに行かないと…

ふきこは、急いでマンスリーアパートへ走って行った。

マンスリーアパートに着いた時であった。

「(久秀の婚約者の女性)さん!!大変よ!!…って…ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

ふきこは、胴体がバラバラに切断されている状態で殺された久秀の友人の婚約者の女性を見たので、より強烈な叫び声をあげていた。

それから20分後のことであった。

事件現場に愛媛県警のパトカー12台が停車していたのと同時に、刑事たちがけわしい表情で現場検証をしていた。

現場検証の結果、物証がとぼしいので容疑者の割り出しに相当な時間がかかるので、捜査が難航するようであった。

ふきこは、凄まじい事件現場を目撃したので、より大きなダメージを喰らった。
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