愛プチ
自己紹介も無事終わり、合コンもここからが本番なわけなのだが、気になることが少し。
相手の男の子たちは皆現役大学生らしい。
それもかなりいいところの。
さりながハイスペックって言ってたのはこのことか。
ていうか大学生ならそうと言ってくれよ。。
なんか若そうだなとは思ってたけど。
皆24歳から26歳まで、私達よりも年下である。
てことは一週間前の私はぴちぴちの現役大学生とあんなことやこんな事をしようとしてたのか・・。
けしからんな・・。
私がこの前ラブホで置いてきぼりにしてしまった子は美月君という名前らしい。
イケメンというか、きれいな顔立ちに似合うきれいな名前だなと思った。
それよりも全員大学生って。
なんか学生っていうだけで若く感じるな。
「亜由美さんは大学どこなんですか?お仕事とか!」
大学の話で盛り上がっていたらしく、ぼーっとしている私に気を使って目の前の席の男の子、確か、、さとし君が声をかけてくれた。
「あー、っと、私は大学行ってなくて。
高校卒業してすぐ就職したんです。」
本当は大学に行ってキャンパスライフというものを謳歌してみたかったが、家がそんなに裕福ではなく、大学進学したお兄ちゃんの後に、どうしてもかなえたい夢があったわけでもない私はそんな我がままを言えなかった。
厳密に言えば夢はあったけれど、大それたもので、それを口にはできなかった。
今ここにいる皆がいい大学に行っていて、ここにいる自分だけが大学に行っていないことに惨めさや引け目はないけれど、なんとなく気を使わせてしまいそうで黙っていた。
「亜由美はね、こうぽわーんってしてる風に見えるけど実は結構できる女なんだよ~。ここらへんじゃかなり大きい会社で事務してるんだよね!」
そんな私の気持ちを察したのかさりながすかさず助け船をだしてくれる。
そんなこちらの話には興味がないのか、一番遠くの端っこの席でずっとケータイを触っている美月君。
何をあんなに熱心にみてるんだろうか。
話には一向に入ってこないし、他の友達も慣れているのか全く美月君には触れない。
にしても本当にきれいな顔だな。
この前はあまり見る余裕がなかったけれど、サラサラの髪の毛にくっきりとした二重の眼、スッと通った鼻筋、やっぱりダントツでかっこいい。
その後も、ちょくちょく適度に会話に加わりつつ合コンは進んでいき、私のビールを飲むスピードも徐々にヒートアップする。
そして私がトイレにいっている間に席替えをしており、私の座っていた席には美月君が座っていた。
出来れば遠くに座りたいが、彼の隣以外で座る席はなさそうだ。
皆それぞれの男の子と喋っている。
そして端っこで相変わらずケータイを触り続けている彼。
もう結構飲んだし皆いい感じに出来上がってるんだし私そろそろ帰っていいかな。
今なら帰っても気付かれないだろうし。
とりあえずカバンだけ取ろうと美月君の隣に座り、グラスに残っていたビールをグイっと喉に流し込む。
「お前、この前、なんで逃げたんだよ。」
ビールを飲み干している私に、ケータイをみたままの美月君が唐突に話しかけてくる。
まさか話しかけられるとは思っていなくて思わずビールを少し吹いてしまった。
「きたねえ!」
「いや、いきなり話しかけてくるから、、!
ていうか失礼な、、。」
口元のビールを拭きながらむせる姿はさながら痰が絡まったおじいちゃんである。
「あ!お前のせいで負けたじゃねえか!!どうしてくれんだよ!」
負けた?
突然悔しがる彼の手元をみると、ケータイ一面にゲームオーバーの文字が出ていた。
ああ・・ゲームね・・。
って、いや、ずっとゲームしてたんかい。
どうりでケータイの画面ずっとみてるわけだ。
「この前のことはごめんなさい。
なんていうかちょっとテンパっちゃったっていうか、、」
「あー!くっそー!あとちょっとでレアアイテムゲットできたのに!あー!」
「でもあの、私も悪気があったわけじゃなくて、お金も払ったしもうなかったことにしてくれると嬉しいっていうか、、」
「もっかいチャレンジしてゲットできっかな、、
別ルートで攻めるか、、?いやでもここ一人で突破はキツ、、」
「ちょ、あの、、聞いて?!
今私一応誠意こめて謝ってるから!聞いて!?」
さっきから全く話がかみ合わない!
ていうかこんな子だったっけ?!
ていうかゲーム負けたくらいでそんな地団駄ふむんじゃない!
「この間のことはごめんなさい。
反省してるからなかったことにしてください。」
大事なことなのでもう一度はっきりと言い直した。
「なんでだよ。」
ゲームに負けたのがよっぽど悔しいのかすこしほっぺたを膨らまし彼が私をにらむ。
何その顔、、可愛いけど。
じゃなくて!
「いや、なんでって、なんでも、、。
大人には触れられたくない事情とかがあるんです。
こう、色々と複雑な何かとか。」
私もあまりほじくり返したくないので曖昧に答える。
「ふーん・・。まあいいけど。
許すにはただ一つ条件がある。」
そう言って彼がニタリと笑った。
何か無茶難題を言われるのではと思わず身構える。
あっさり引き下がるところが妙に怖いんだけど。。
ああ、神様仏様女神様、、これ以上の試練は耐えられませんお許しください。。
どうかしょうもない条件でありますように。。
そう天に願い、胸の前で両手合わせ、ぎゅっと握った。
相手の男の子たちは皆現役大学生らしい。
それもかなりいいところの。
さりながハイスペックって言ってたのはこのことか。
ていうか大学生ならそうと言ってくれよ。。
なんか若そうだなとは思ってたけど。
皆24歳から26歳まで、私達よりも年下である。
てことは一週間前の私はぴちぴちの現役大学生とあんなことやこんな事をしようとしてたのか・・。
けしからんな・・。
私がこの前ラブホで置いてきぼりにしてしまった子は美月君という名前らしい。
イケメンというか、きれいな顔立ちに似合うきれいな名前だなと思った。
それよりも全員大学生って。
なんか学生っていうだけで若く感じるな。
「亜由美さんは大学どこなんですか?お仕事とか!」
大学の話で盛り上がっていたらしく、ぼーっとしている私に気を使って目の前の席の男の子、確か、、さとし君が声をかけてくれた。
「あー、っと、私は大学行ってなくて。
高校卒業してすぐ就職したんです。」
本当は大学に行ってキャンパスライフというものを謳歌してみたかったが、家がそんなに裕福ではなく、大学進学したお兄ちゃんの後に、どうしてもかなえたい夢があったわけでもない私はそんな我がままを言えなかった。
厳密に言えば夢はあったけれど、大それたもので、それを口にはできなかった。
今ここにいる皆がいい大学に行っていて、ここにいる自分だけが大学に行っていないことに惨めさや引け目はないけれど、なんとなく気を使わせてしまいそうで黙っていた。
「亜由美はね、こうぽわーんってしてる風に見えるけど実は結構できる女なんだよ~。ここらへんじゃかなり大きい会社で事務してるんだよね!」
そんな私の気持ちを察したのかさりながすかさず助け船をだしてくれる。
そんなこちらの話には興味がないのか、一番遠くの端っこの席でずっとケータイを触っている美月君。
何をあんなに熱心にみてるんだろうか。
話には一向に入ってこないし、他の友達も慣れているのか全く美月君には触れない。
にしても本当にきれいな顔だな。
この前はあまり見る余裕がなかったけれど、サラサラの髪の毛にくっきりとした二重の眼、スッと通った鼻筋、やっぱりダントツでかっこいい。
その後も、ちょくちょく適度に会話に加わりつつ合コンは進んでいき、私のビールを飲むスピードも徐々にヒートアップする。
そして私がトイレにいっている間に席替えをしており、私の座っていた席には美月君が座っていた。
出来れば遠くに座りたいが、彼の隣以外で座る席はなさそうだ。
皆それぞれの男の子と喋っている。
そして端っこで相変わらずケータイを触り続けている彼。
もう結構飲んだし皆いい感じに出来上がってるんだし私そろそろ帰っていいかな。
今なら帰っても気付かれないだろうし。
とりあえずカバンだけ取ろうと美月君の隣に座り、グラスに残っていたビールをグイっと喉に流し込む。
「お前、この前、なんで逃げたんだよ。」
ビールを飲み干している私に、ケータイをみたままの美月君が唐突に話しかけてくる。
まさか話しかけられるとは思っていなくて思わずビールを少し吹いてしまった。
「きたねえ!」
「いや、いきなり話しかけてくるから、、!
ていうか失礼な、、。」
口元のビールを拭きながらむせる姿はさながら痰が絡まったおじいちゃんである。
「あ!お前のせいで負けたじゃねえか!!どうしてくれんだよ!」
負けた?
突然悔しがる彼の手元をみると、ケータイ一面にゲームオーバーの文字が出ていた。
ああ・・ゲームね・・。
って、いや、ずっとゲームしてたんかい。
どうりでケータイの画面ずっとみてるわけだ。
「この前のことはごめんなさい。
なんていうかちょっとテンパっちゃったっていうか、、」
「あー!くっそー!あとちょっとでレアアイテムゲットできたのに!あー!」
「でもあの、私も悪気があったわけじゃなくて、お金も払ったしもうなかったことにしてくれると嬉しいっていうか、、」
「もっかいチャレンジしてゲットできっかな、、
別ルートで攻めるか、、?いやでもここ一人で突破はキツ、、」
「ちょ、あの、、聞いて?!
今私一応誠意こめて謝ってるから!聞いて!?」
さっきから全く話がかみ合わない!
ていうかこんな子だったっけ?!
ていうかゲーム負けたくらいでそんな地団駄ふむんじゃない!
「この間のことはごめんなさい。
反省してるからなかったことにしてください。」
大事なことなのでもう一度はっきりと言い直した。
「なんでだよ。」
ゲームに負けたのがよっぽど悔しいのかすこしほっぺたを膨らまし彼が私をにらむ。
何その顔、、可愛いけど。
じゃなくて!
「いや、なんでって、なんでも、、。
大人には触れられたくない事情とかがあるんです。
こう、色々と複雑な何かとか。」
私もあまりほじくり返したくないので曖昧に答える。
「ふーん・・。まあいいけど。
許すにはただ一つ条件がある。」
そう言って彼がニタリと笑った。
何か無茶難題を言われるのではと思わず身構える。
あっさり引き下がるところが妙に怖いんだけど。。
ああ、神様仏様女神様、、これ以上の試練は耐えられませんお許しください。。
どうかしょうもない条件でありますように。。
そう天に願い、胸の前で両手合わせ、ぎゅっと握った。