キミは当て馬、わたしはモブ。
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――――帝塚くんってアカネちゃんが好きなの!?
時間差でやってきたのは、翌日の一時間目。現代文の授業を受けているときだった。
早起きを頑張ったせいでバタバタと机に倒れていくクラスメートに、先生の困った声。
わたしも黒板に映る白い文字が霞んできたとき……昨日の記憶がよみがえったのだ。
おかげで眠気なんて吹っ飛んだ。むしろ冴えすぎているほどだった。
昨日はあまりにも自然な会話で進んでいったせいで、注意力が散漫になっていたらしい。
これは、まずいぞ……。
アカネちゃんはイケメンが好きだから、帝塚くんが告白でもしたら即刻承諾しそうだ。それに中村くんは悔しさを感じることもない。
だって。全部、わたしの妄想だからだ。
二人が恋愛感情の必要としない関係であることをわかった上で好きになったんだから、ある程度覚悟はしてたけど……。
それがよりにもよって帝塚くんかぁ。正直最悪と言いざるを得ない。
でも、自分のわがままのために阻止するのもどうかと思う。わたしが介入して成立したカプなんて、ちっとも萌えない。
でも。でもなぁ……。他の人なら許せたかもしれないなぁ。