キミは当て馬、わたしはモブ。
ガチ恋は報われない
タピオカを飲みまくって、ちょっと太った。
それだけで憂鬱気分なのに、今日は雨と来た。許せない。
「佐久良、今日のアンダーラインは黄色か青の蛍光ペン、どちらがいいと思いますか?」
こいつも許せない。
この間の会話から、ことあるごとにどーーーでもいいことの選択権をいちいちわたしに委ねてくる。
蛍光ペンの色? 知らないよ。
「自分が見やすい方にしたらいいじゃん」
「なるほど。黄色にします」
これが、帝塚くんの言ってた枝分かれってやつ?
普通に話しかけてくるから普通に返事しちゃったよ。
はぁ、こいつのせいで推しカプの盗み聞きも捗らない。
アカネちゃんに告白するんじゃなかったの? フラれるとこ早く見たいのになー。
……わたし、こんなに性格悪かったっけ?
二本のペンを持ちながら、満足して自分の席に戻っていく帝塚くん。入れ違いに、友達が横から顔を出してくる。
「ちょ、ちょっと、どういうこと、和花!? なんで帝塚くんと普通に話してるの!?」
「うーん……」
ノベルゲーのプレイヤーにされた。
なんて例えがパッと出てきたけど、友達相手にはそんなこと言えない。
「なんていうか……」
なんなんだこの関係は。