キミは当て馬、わたしはモブ。


 結論。和花ちゃんと帝塚くん、二人は付き合った。


 目の前でたくさんイチャイチャしてるところを見せてもらって、すごいなぁって感心した。


 それを見てたらあたしにも芽生えてしまった。優斗に振り向いてほしいって気持ちが。



「……優斗」


「なに?」



 放課後、いつものように優斗の部屋に入り浸るあたし。


 優斗のベッドの上で漫画を読みながら、隣に座ってスマホをいじっている優斗をちらりと盗み見る。


 これはあたし達にとっては当たり前で、特に何も感じることもない状況だ。


 少なくとも、あたしも前まではそうだった。


 今は優斗だけだろうけど。



「すごいよね、和花ちゃんと帝塚くん。……両想いで」


「ああ……。そうだな」



 気のない返事を返されるのも、いつものこと。


 あたしに興味のない優斗なんて普通なのに、あたしの気持ちが変わるだけでこんなに苦しい。



「優斗、さ……好きな人とか、いるの?」


「……アカネがそれを聞くのかよ」


「……ごめん」



 それもそうだった。


 あたしがだめって言ったくせに、何聞いてるんだろ。


 バカだ、あたし。

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