キミは当て馬、わたしはモブ。


 茨の道ってやつだ。


 むしろ、諦めた方がいいまであるよ。


 もう、そんな簡単に諦められたら苦労しないよ~……。


 意味の無い自問自答をするくらい、あたしは参っていた。


 四つん這いになって落ち込むあたしに、ぎこちない咳払いが降ってくる。



「んんっ……頑張りどころを間違えてるんじゃない」


「じゃあ、あたしどうしたらいいのっ!?」


「えっと、それは」



 優斗が言葉に詰まる。


 ないんだ、解決法……。


 そしたら、もうどうにもできないじゃん。


 どうしたら、どうしたら、



「――――どうしたら、優斗に可愛いって思ってもらえるの!?」



「はい?」


「あっ! だっ、男子代表の優斗くん!」



 危ない! 優斗が明らかにゴミを見る目であたしを見てた!


 なんとか軌道修正したけど、好きバレ回避できたかなぁ!?


 恐る恐る、優斗の反応を確認する。



「あーそういうことね……」



 回避ッッ!!!


 ほっと胸を撫で下ろした。



「よかったぁ」


「何が?」


「なっ、なんでもっ!?」



 まだ安心するのは早かった!

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