キミは当て馬、わたしはモブ。


 帝塚くんも、なかなかしつこいなぁ。いや、知ってたけど。


 なんでそこまで、わたしに好きな人がいるって確信できるんだろう……?



「もう少し告白のプラン、詰めてみますね。できたら報告します」


「しなくていいっ」



 切り替え早いなぁ……。


 告白の計画をわたしに教えて邪魔させようって魂胆透け透けだし。



「佐久良、よければ連絡先の交換などを行って……」


「行いません」


「そうですか」


「そしてここからわたしは一人で帰ります。さようなら」


「あぁ、はい。また明日」



 くそう、もうちょっと悔しそうになるなり、寂しそうになるなりしてよ。


 帝塚くんに背中を見せて一人で歩き出す。


 帝塚くんは別に追いかけてこないし、何か言ってくるわけでもない。


 でも、見えなくなるまでは離さないという意志を感じる視線だけは、わたしを追いかけてきた。


 歩きづらい……。


 今日一日、帝塚くんのせいでかなり気を張っちゃったよ。


 すっごくストレス。


 こんなにストレスが溜まってきたときは……アレしかないよね。


 よし、早く帰って確保しとこーっと。

 
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