キミは当て馬、わたしはモブ。



「まず、ただの告白じゃ印象に残らないと思ったので、謎解きで場所を指定してみました」


「辻さんが解けないかもしれないって心配はなかったの?」



 実際中村くんが解かせようとしてなかったら、解けないどころか解こうとすらしてなかったみたいだし。



「え……? 謎って、普通あったら解きたくなるものじゃないんですか?」



 でっ、出たー! 帝塚くんの、頭良いくせに堅いせいで自分の考えが正解だと思っちゃうやつー!


 ただ、わたしは帝塚くんの考える部類の人間だったため、この件に関しては口出ししません。



「人によるね」



 中村くんが言ってくれた。助かる。



「手紙を送ってない二人も解けているので、間違ってないと思ったのですが……」


「もっ、もういいから! それで!?」



 帝塚くんの思惑にハマったなんて信じたくないから、この話は終わろう!



「次に……昼休みに、ソープフラワーを宅配しました」


「学校に!?」


「内緒ですよ」



 な、内緒っていうか……そんなことできるんだ。花屋の宅配なんて聞いたことないよ。



「家が花屋なんです。だから姉に来てもらっただけですよ。お金は払わされましたけど」


「へぇ……」



 似合わない……。なんて、家のことに文句を言うのは違うから、言わないけど。

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