キミは当て馬、わたしはモブ。
生気の抜けた顔で、乾いた笑いを出す帝塚くん。
う……ちょっと、わたしまで悲しくなってきちゃった。
慌ててアカネちゃんはフォローする。
「あ、えっと、なんだろ、高嶺の花っていうか、高級食材っていうか。あたしが仲良くするには、恐れ多いって感じなの」
できていない。どっちにしろ仲良くはならないって意味だからね。
むしろ詳しくわけを説明してもらっただけになっちゃったな。
「ま……待ってください。俺と佐久良は友達です。そして、アカネさんと佐久良も友達。つまり友達の友達は友達ということで、俺達も友達なのではないでしょうか」
なんとか帝塚くんは反論をひねり出す!
わたしはいつの間にか応援してしまっていた。だって今日の帝塚くん、なんだかすっごく不憫だった!
「あー……そういう理屈は、あるよね」
理屈とか言われちゃったよ……。
「アカネ、おまえ」
「優斗。優斗は違うって言えるの?」
「……っ」
止めに入ろうとした中村くんさえ、ねじ伏せられてしまった。
でも、中村くんは次の瞬間、腕を伸ばして……。
「……おまえ、いつまですねてるんだよ」
わたしの腕を掴んだ。
え? なんでわたしの腕?
「いいか、今から佐久良さんにフラれてやるから、さっさと元気出せ」
はい……?
な、なんでしょうか……?