キミは当て馬、わたしはモブ。


 え? どういう変化?


 帝塚くんの心、読めないなぁ。



「もう佐久良に話しかける理由がないんです」


「なんで?」


「話題が……アカネさんのことしか、考えて来ていなかったので……」



 なんて不器用なんだ。


 別に会話なんて、考えなくたって生まれるだろうし……今みたいに。


 それに、たぶんわたしから話しかけるでしょ。



「あの……ずっと話していたいんですよ?」


「――ん゛んっ」



 なんで今しゅんとした!?


 なんかちょっと萌えてしまったんだけど!?


 やっぱりわたしも変わってる気がする。態度じゃなくて、気持ちが。


 帝塚くんのこと……みのるくんみたいに、考えるのかなぁ。


 ……みのるくんみたいに?


 いやいや……。



「こんなに俺に付き合ってくれたのは、佐久良だけですから」


「巻き込ませた、の間違いじゃない?」


「どちらにしても、です」



 逃げ場をなくしたのはそっちなんだけど。


 もうそれも、過去のことだからいいけどね。



「じゃあさ……勉強教えてよ、帝塚くん」


「勉強ですか」


「うん。わたし達が一緒にいる目的、作ってあげるよ」



 特に数学がやばい。それ以外はぼちぼち。


 あと、謎解きをもっとしたい。ので、また帝塚くんに作ってほしい。

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